等価交換ありがた屋



夜中の静かなこの大通りを抜けて えらく寂れた町の片隅
明かりの消えない古びた小屋の戸を叩く 渋い声がして同時に扉が開く

「こんな時間に何か私に用かい?ここじゃなんだ、部屋の中で話そうか」

特別な”これ”っていうもんはないけど欲しいとも思わない
大切なものを守り通す強い力がそれだけあればいいさ

重い腰をあげ作業に移るそいつが要求するものは僕の自由
願いを叶えたいならそれと同等の何かが必要なんだとそいつは語りだす

「さぁどうするんだ?嫌だったらやめてもいいぜ?考えといてよ、気が向いたならご連絡を」

あの空を この大地を どちらかを選んで消し去って
そうやっていくつもの分かれ道を見てきたんだろう
何かが引っかかってんだ


大切なものを守り通す強い力が欲しいんだ それだけが
だからそいつを試してみるよ 本当だろうな 
代わりのものはないからな





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